真夏に大径木ヒノキを除伐

倶楽部の森林整備活動では、人工林の間伐・除伐は原則10月から3月末までとしています。この理由として、伐倒木が倒れる段階で周辺木の枝を折ったり、幹に傷つけたりすることがあり、これにより病虫害が発生や傷により木材の価値を低下する可能性があり、これらの影響を最小化するため、時期を限定して間伐・除伐を行うことにしています。

今回は、地元町内団体からの要請で夏季にヒノキの除伐を行うものです。私たちの活動で真夏にまとまった本数のヒノキ伐倒をするのは初めてです。場所は豊田市内香嵐渓から北東方向約7㎞地点の標高約430mのヒノキが疎らに生育している山林です。地元町内関係者により下刈りと除伐対象の選木が終了しており、数回にわたり、これらのヒノキを伐倒するものです。

当日の気温は現地では計測していませんが、30度を超え、無風に近い灼熱の日差しの下での伐倒です。林内には保存すべき雑木類もあり、また、全般に20度以上の傾斜地となっていることから、プラロックを併用したロープけん引を基本に、等高線方向に確実な伐倒することとし、1グループ5,6名程度で2班に分けて作業することにしました。

私が伐倒することになったヒノキは胸高直径45㎝を超えるものです。伐倒方向に障害がなく、ゆるい傾斜地となっていることから、ロープけん引なしで行うことにしました。チェーンソーのバーの長さを超える部分については事前に切れ目を入れておき、受け口が定めた伐倒方向に向かっているや、追い口はツルが均等幅になっていることを作業中に確認。最後は追い口に入れたクサビを入れ、ハンマーで叩きながら、伐倒。所定方向に伐倒でき一安心。ここまでの作業はチェーンソー操作を確実に行うだけなので、体力も必要なく、無事に進行しました。

しかし、その後の作業は暑さも加わり、遅々として作業が進まず大変でした。

出材できることを条件に伐倒することから、枝払いは幹に沿って滑らかに仕上げることと、4.1mの長さで切断することが要請されています。通常の切り捨て間伐では枝が幹から多少飛び出ていようが、殆ど問題ありませんでしたが、幹に沿って平滑に枝払いをするのは慎重さが要求されます。その上、樹齢70年を超える大径木のため、枝も固く10㎝を超える太さとチェーンソーの切れ味が悪いことが重なり、その上、30度を超える中で、楽な姿勢で枝払いできないことから、作業がなかなか進みません。のどはカラカラになるし、汗でぐっしょり。途中で2回ほど小休止し、お茶でのどを潤したものの、枝払いと、幹の輪切りを完了させた時点では体中の水分が干上がった感じ。けいれんやふらつきの症状もなかったことから幸い熱中症にはなりませんでしたが。

しかし、熱中症が発生しやすい状況の中での作業であり、炎天下での作業は、無理をしないで急がないことを基本に、小休止を取ること、水分を十分に摂取すること等に再認識したところです。

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