チェーンソーのバーの長さを超える大径木の伐倒方法

木とチェーンソーバーとの比較

今回ご紹介するのは、植樹後60数年で胸高直径が50cm程の杉の伐倒方法です。

私が持っているチェーンソーのバーの長さは35cm程度なのですが、どうしたら伐倒する事が出来るでしょうか。その大径木を目標方向に伐倒する方法をご紹介します。

伐倒方向を決定する

重心が少し谷側に傾いていますが、ツルで調整できそうなので重心方向にある杉と杉の間に倒して谷に落ちないようにします。大径木なのでクサビを用いる程度では重心を変える事が出来ない場合にはプラロックなどの補助器具を使用しますが、今回は伐倒木の重心を利用すれば倒れそうなので、補助器具は使いません。

伐倒開始

いよいよ伐倒に入ります。

通常の受け口同様、深さは直径の1/4程度、斜め切りの角度は45°とします。今回の対象木は直径が50cmなので、丁度バーが隠れる程度の10cmの深さです。受け口は伐倒方向に対して直角に作る必要があります。

受け口作成後

受け口を作ったら伐倒方向から受け口を確認したり、受け口の会合線にチェーンソーを直角に合わせて伐倒方向を確認するなどの方法があります。

チェーンソーを当てての確認

反対側に切れ込みを入れた後に伐倒する

直径が30cm程度でしたら一度の追い口切りで対応できますが、今回はバーの長さを超える50cmの大径木なので、一度チェーンソーを入れただけでは追い口ができません。

そこで、追い口を作る時の体勢の反対側にあらかじめ20cm程の深さの切り込みを入れておきます。この作業をすることにより、通常のように追い口を切り進めればバーの先端が切れていますので目的とするツルが出来、木は傾き始めて伐倒できるのです。

チェーンソーを入れる

チェーンソーを入れる

倒れる様子

倒れた後

反省点

反対側の切り込みを入れる時、足場が悪かったので十分な確認を怠ったために、切り込みの深さの調整やツルまでの距離の感覚がうまく掴めず、結果的にツルの幅が少なくなってしまいました。

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