川には落としたくない伐倒現場
現場の状況
斜面に立っている胸高直径が40m程の杉の木を伐倒するのですが、下には小川が流れており、絶対に下には落としたくない現場です。もし落としたら、護岸が痛んだり引き上げるのに大変な労力が必要となるからです。しかし、枝が谷側に多くあり、重心は確実に下を向いていますが何とか登り道に沿って伐倒したいのです。
ここではプラロックの出番です。
使用する道具
- チェーンソー
- プラロック
- フック付きロープ(30m×2本)
- スリング(2本)
- スナッチ(滑車)(2個)
- スローライン
伐倒の準備
登り道と切り株の間を伐倒方向と決めて、スローラインを用いて高い位置にロープを掛ける事にします。
伐倒方向には適当な丈夫な立木がないのですが、伐倒方向の5m左にある立木を利用する事にして後はツルの厚みで調整します。
プラロックをセットする安全な場所も決めます。伐倒方向と伐倒方法が決まればその準備をします。スローラインでロープを掛ける人、スリングやスナッチをセットする人、プラロックをセットする人が要領よく働いています。
ロープ張りが終わりいよいよ伐倒です。
伐倒開始
チェーンソーで受け口を作るのですが、直径がバーを越える太さなので一度では作れず左右から作業する事になります。
きれいな受け口が出来上がりました。
追い口を作ってゆきますが追い口も左右から作る事になります。ツルが出来つつあるのでプラロックのテンションを上げてゆきます。
伐倒担当者はツルの厚さを確認しながらプラロックの作業者に指示を出します。木の傾きを見ながらゆっくりツルを調整します。いよいよ伐倒の瞬間です。見事に目標方向に伐倒出来ました。
伐倒後の処理
枝払いの最中に牽引ロープを切断しないために、最初にロープを外します。枝払いを行い、地面から上がっている幹の先端を切落します。
現場によっては幹を安定させるために玉切りや幹の方向を変える作業が必要になりますが、今回は幹全 体が地面に接して安定しているので玉切りを行いません。これで作業は終了です。