人工林における枝打ちの必要性と時期

枝打ちされていないヒノキ

別ブログの「人工林における間伐の必要性と時期」に続き、今回は枝打ちについてお話します。

枝葉の促進を促す間伐が成長アクセルとするならば、枝打ちは成長ブレーキといえます。間伐と枝打ちを適切に行い、樹形の良い人工林山を目指しましょう。

樹木における枝葉の役割

樹木はどうして成長するのでしょうか。ご承知のように葉で光合成を行い根から水分や養分を吸い上げて成長しますが、何も手入れをしないで放置すれば(込み具合や枯れ枝の発生があるので一概には言えませんが)樹高の割に幹は太くなりずんぐりむっくりな形になります。

適切な形にするには枝打ちが必要となります。

上手な枝打ち

人為的に枝を切落す作業ですが、注意すべき事項があります。樹幹から枝が出ている元から切落すのですが、枝座(「シザ」と読みます。)を傷付けず、なるべく枝を残さないところで鋭利に切断することです。

枝座を残して下から鋸を入れる

枝座を残して下から鋸を入れる

上から鋸を入れて切断する

上から鋸を入れて切断する

きれいに切断された切り口

なるべく枝を残さないようにする理由は、製材した時に表面に節の傷跡や死に節を出さない工夫です。

悪い枝打ちの例

悪い枝打ちの例

枝打ちを行う時期

第1回目の枝打ちは、胸高直径が8cm程の時に樹冠の上部直径が6cm位の高さまで枝打ちを行います。

第2回目は、第1回目に枝打ちした部分の直径が8cm位の時に更に上部の直径が6cm位の所まで行います。

最終的な枝打ちの高さは、生産材の用途により異なりますが、第3回目以降も同じように行い、最終的な高さは地上10~12m位の高さまで行えば十分だと思います。

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