人工林における間伐の必要性と時期

間伐を行っていない人工林

スギやヒノキを植樹した後に間伐を行わないとどうなると思いますか。

今回は間伐はなぜ行うのか、また、いつ行うのかについてお話します。

間伐とは

スギやヒノキは1.8m程の間隔をあけて植樹しますが、このまま成長すれば込み合った状態で育ちます。

そのまま形良く成長すればよいのですが、枝葉が成長すれば陽光が入らず、下の枝が順次枯れ上がり、いわゆる「死に節」となり、製材した時に節が抜け落ちて節穴となります。

下の枝が枯れたヒノキ

適度な陽光を入れて、枯死する下枝を作らないようにするために行うのが間伐という作業です。1本の樹木にとれば、成長するために必要な健康な枝葉を育てるアクセルのようなものです。

間伐作業前

間伐作業後

間伐を行う時期

植樹から20年頃(樹高が12~13m位)になれば第1回目の間伐を行います。

どの程度の間隔で間伐を行うかというと、樹高の約2割です。

樹高が12mならば2.4m程の間隔です。

冒頭、植樹は1.8m程の間隔で行うと申しましたので、あまり変わらないではないかと疑問に思われるでしょう。

そこで、第1回目の間伐は、曲がりなど変形のある不良木を対象に行えばよいと思います。

曲がって育った不良木

第2回目の間伐(植樹から30年頃)は樹高が17m程になっていますので、その2割、3.4mの間隔をあけるように行います。

第3回目の間伐(植樹から40年頃)も同じように樹高の2割程度の間隔で行います。樹高の成長は植樹後40年を過ぎる頃から成長スピードがゆっくりになりますので、3回目の間伐が最後で良いと思います。

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