木の成長を阻害する大木へ巻き枯らしでの対応
巻き枯らしを行う理由
人工林の中にコナラなどの大木が生い茂っていると、その他の木が日照不足となり、なかなか成長できません。しかし、コナラなどの大木は枝を縦横に伸ばしているので、伐倒すると他の木に被害が出ます。その時にほかの木への被害を最小限に抑え日照を確報するために「巻き枯らし」という方法を行います。
現場の状況
植林後20年程経ったヒノキで、樹高が15m、胸高直径が20cm程に育った人工林です。 その中にコナラが立っているのですが、樹高は20m、胸高直径は35cm程あります。 ヒノキより コナラの方が成長が早く、いつの間にか追い越されて日光が当たらなくなっています。
ヒノキに日光を当たらせるためにはコナラを伐倒すればよいのですが、伐倒すれば10本程のヒノキが被害を受ける恐れがあります。
コナラを枯らす方法
植物は、樹表近くに水分や養分を枝葉に送る管があり、その管を断ち切れば根→枝葉、枝葉→根への養分や水のやり取りができなくなり枯れていきます。
その管を断ち切る作業のことを「巻き枯らし」といいます。
巻き枯らし作業
作業のし易い適当な高さに、幹にチェーンソーで深さ5cm程の切込みを10cm程離して2本入れます。そして、その間の樹皮を削り取るのです。
これで完了ですが、巻きがらしをしたコナラはやがて枝が朽ちて落ちてきますので、巻き枯らしは、道から離れた人が入らない場所に限られます。